司法書士試験のテキストについて

毎朝このホームぺージのアクセス記録などを見るのですが、その際にどのような検索キーワードからアクセスされているという情報を閲覧することができます。

最近「オートマ 回す」というキーワードで検索があったので、これについて書いてみようと思います。

①オートマシステム

多くの司法書士受験生のバイブルだと思います。本屋さんの司法書士試験のコーナーに行くと黄色い背表紙が固まっている本棚があります、それです。それこそが、フラッグシップモデルにしてメインテキストのオートマシステムです。これのみを回転(何度も読むこと)させて合格する者もいます(記述は別として)。

私も初学の頃これを購入しました。当時はオートマチックシステムという名称だったはずですが今は短縮形になってますね。

初めてこのテキストの民法を読んだときは感動しました。口語で授業を受けているような書き口で、理解がどんどん進む感覚でした。法制度の背景やウラ話など読み手を飽きさせない工夫も凝らされていて、合間に過去問もあるので、インプット→アウトプットがすぐにできるようになる。これのみで合格する人がいる理由も頷けます。

私は最終的にオートマから別のテキストに切り替えておりますので、切り替えた理由を以下に記載します。

インプット派(テキスト勢)アウトプット派(過去問勢)という話がよくでてくると思うんですが、私は勝手に自分をインプット派と位置付けてオートマ読込に専念しておりました。ただ、上述した通り、口語で書かれているので何度か読んでいるうちに飽きが来てしまいました。そこで辞書的な使い方をしようと思ったのですが、当時(今はわかりません)は索引が充実していなかったため、残念ながらその後使わなくなってしまいました。

②オートマシステム記述

記述の演習問題集です。不動産・商業に分かれており、不動産50問、商業30問のコンパクトな本質を突いた問題が掲載されております。

この形の書籍は当時他にもありましたが私はこれを選びました。これをひたすら繰り返すことである程度の実力は必ずつきます。と断言できる良著です。ベテラン受験生だったので版を重ねて2回買い直しました。最終的に実家にはオートマ記述6冊ありました(笑)

初めの頃は太刀打ちできないと思いますが、これは何度も繰り返すべき価値があります。解けなかった問題は付箋を貼るなどして、繰り返すときはその付箋のページのみを解くなど工夫すると良いと思います。効果として、「この論点が来たなら注意点はここだな」と想起できるようになります。司法書士試験で出題される論点はほぼ網羅されていると思いますので、記述学習のメインに据えてもいいのかなとは思います。

ただし、あまりにコンパクトな問題なので、本試験レベルの10数ページに及ぶ問題に慣れることはできません。どういうことかと言うと、本試験問題には余事記載がたくさんあって、その取捨選択をしなければならないのですが、その部分の学習はオートマ記述さんではできないのです。あくまで日々の記述学習として1日数問解くような使用方法をしつつ、時間が取れるときは過去問や答練などの長い問題文に慣れる必要があります(本試験問題の不・商ともに解くと2時間はかかるのでこれはしょうがないです)。ちなみに答練模試の記述問題ならLECさんの模試が本試験問題に近かった印象です。

③でるトコ、オートマ過去問

ここは使用してないのでわかりません。あしからず。教材マニアだったので欲しかったんですが、多分競合のケータイ司法書士とか必出3300とかに流れつきました。

④オートマプレミア

司法書士 鷲頭事務所

「司法書士試験勉強やってみようかな」と思い立ち、川崎市内の小さな本屋でこれを見たのが始まりでした(地獄の)。一冊あたり結構安いので買おうかと思ったんですが、パラ読みすると初学者向けではない感じだったのでその場はスルーしました。合格した年とその前年に使ってました。

以前のログでも記述しましたが、プレミアを使用すると「こう来たらこう!」じゃなくて「こう来たらこうだからこう!」という問題への向き合い方ができるようになります(なんのこっちゃ)。プレミアを繰り返すことによって思考力が養われますので、仮にわからない問題に遭遇したとしても「知らない(適当にマーク)」ではなくて「知らない、けど主旨に立ち返って考えればこうだよな(恐る恐るマーク)」という感じになりますし、そこが合否を分ける問題になることが多いので、オートマプレミアを買って、「理解」「記憶」だけではなく「想起」を訓練することをお勧めします。

「想起」とは文字通り思い起こすことなのですが、例えば問題に「原始定款の絶対的記載事項に本店は含まれるか?」という問題があれば答えは○なんですが、その際に絶対的記載事項を全部思い出す訓練をするといいと思います。関連して定款認証が必要な会社法人はなにかを思いだしたりする訓練を日常から行っておくことで、本試験の緊張感の中でも考えることもなく答えを導き出せます。この感覚は緊張しっぱなしの午後に特に役立つと思われます。

いかがでしょうか?インプット派アウトプット派とかは特になく、インプット派だと自認していても、テキストを読みながらアウトプットしていく姿勢が必要だと思います。経験上、テキストをころころ変えるのはあまり良い効果を生み出しませんので、いまあるテキストを使い倒すことをお勧めいたします。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。