司法書士試験勉強②

前回、テキストと過去問について記載しましたので、今回はそれ以外のものについて記載していきます。

③サブテキスト

いわゆる「まとめ本」と言われているものです。これには本当に助けられました。

・ケータイ司法書士

・必出3300

・司法書士一問一答 合格の肢

・オートマプレミア 等

私が手を出したものは上記4つです。ただし合格の肢については、初学者のころに手を出したので活用しきれませんでした。これらはすべてある程度学習が進んでから手に取ることをお勧めします。

択一の基準点に届かなかった当時、テキストと過去問をグルグルと回すという勉強方法を取っていたんですが、膨大な分量で不完全燃焼でしたのでこの問題をクリアすべく評判の良かった上記の書籍に手を出しました。

司法書士一問一答 合格の肢ですが、これはまだ実力がない時期に導入してしまったので、ほとんど活用することができませんでした。とてもよくできた教材ですし、合格レベルにある受験生であれば、これを完璧にすれば合格できると思います。

次に伊藤塾の講師が執筆されていた必出3300(当時は3000)を手に取ってみると、見開き左ページに重要問題の肢、右ページに図表にまとまっており、しかも当時は2分冊?(記憶があいまいです)だったので、何度も何度も回すことができました。このおかげで翌年の午前は基準点に到達することができました。

それでケータイ司法書士にも手を出したのですが、これについては上記の3300とどちらかで良いかなと思います。構成が見開き左右異なることと、ケータイの方が少しコンパクトで図がないくらいなので、自分に合ったものを購入して回すことでかなり実力がアップするはずです。なお私が合格した年はケータイを使っていました。ケータイは4分冊なのですが、これを各15分ずつ、毎朝1時間やっていました。

オートマプレミアは合格年その前年にメインで使用していました。これは暗記ではなく、考える力を鍛えるのに本当に役立ちました。その結果、民法なら知らない問題が来ても考えることができるという自信につながりました。(本試験で民法2問落としましたが)この教材は、正誤で答えられる単純な設問でなく、こちらが考える設問です。(合格の肢も同趣旨のサブテキストなので、使用するのはどちらかで良いと思います)この考えるという行為をさせることに主眼を置いた教材だと思ったので、これを使い倒しました。

具体的には設問の解答でゴシックになっている単語を暗記ペンでマークし、解答を読むときに、その単語をキーワードとして覚え、試験問題でそのキーワードが出たらすぐに反応し、知識を芋づる式に想起できる訓練をしました。ただ読んでいるだけではあまり意味がないので、設問に対し考え、想起し、解答を言語化するという一連を徹底しました。

さらに全巻を1か月で回したかったので、Aコース(民法、会社法、刑法、憲法)、Bコース(不動産登記法、商業登記法、供託法・司法書士法、民事3法)と分け、一日おきにAコースの日、Bコースの日と分けて、それぞれ1か月で割ったページ数読むという学習をしていきました。こうすることで、一科目ずつやっていると気になる知識の抜け落ちがそれほど気にならなくなります。

④記述対策

記述が苦手でした。司法書士試験学習を始め暫く経った頃に、記述の過去問を初めて見たときに背筋に冷たいものが走ったのを今でも覚えています。

だからと言って、「記述は捨てよう!」とはいきません。手始めに私はオートマの記述式の問題集を購入しました。これは本当によくできております。不動産登記と商業登記の二分冊になっており、ここの問題集を全て解けるようになればかなりの実力が養成されていると思います。全部解けなくても気にする必要はないと思います。合格した年ですら私は解けませんでしたが、記述の基準点をはるかに上回っております。

というものの、問題は本質を突いたものではあるのですが、設問自体が本試験と比べるとかなり短くまとまっています。実際に過去問演習を始めるようになると、過去問の方が情報量が多くなるため、これらを処理するための方法がわからないことに気づきました。いわゆる「解法」というものです。

伊藤塾の山村先生の記述講座を受けることにし、そこで答案構成用紙の使い方を学びましたが、失敗だったのが、教えられたまんま本試験で答案構成をしたため、時間が全く足りなくなってしまいました。

そこで、司法書士試験の午後の時間不足を対策するため、そのあたりが書かれている書籍を探しました。ベースは山村先生の方法で、当時辰巳法律研究所で講師を務められていた、故 小玉先生の出版された超速解シリーズと、同じく辰巳法律研究所の松本先生のリアリスティック記述式をミックスさせました。どうしても本試験現場では焦りが先行します。そのため、問題を読んでいく手順などを極力ルーティン化し、文字もイチイチ「取締役」とか書かずに「ト」だけ書いたり、複雑な漢字は適当な略字を作ったりして削れるところはどんどん削っていきました。

そのように工夫を重ねていくことで、時間がどんどんできて、前述した45分で択一を解くという方法と合わせることで、あれだけ足りなかった時間がかなり余裕をもって試験を終えることができるまでになりました。

結果、時間不足対策を万全にすることが司法書士試験を攻略する最大のポイントだと思いますので、日ごろの勉強は当然として、試験当日の対策について強く意識してみることをお勧めします。

あと、かなり効いたのは本試験で分からない肢に遭遇した時に、「知らない知識で勝負するな」というLECの根本先生の言葉でした。長期受験生が合格できない理由の全てが集約されている言葉だと思います。初見で「知らね」と思ったら構わずどんどん飛ばしていきましょう。その判断が15時以降のあなたを救いますから。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。