司法書士試験受験生のお仕事事情

司法書士受験生のお仕事をどうするか。これは悩ましい問題ですね。専業受験生の場合だと貯金を切り崩して生活をするので、試験が近づくにつれてのプレッシャーがどんどん大きくなる。かといってフルタイムで仕事をしながらだと思うように時間が取れないので、アルバイトを週2-3日入れながらというのはいい選択だと思います。

私の場合、上記全部経験していますが以下それぞれについて記載していきます。

専業受験生時代

私の場合ですが、専業受験生の時は時間がありすぎて学習の質が低すぎたと思います。また貯金がどんどん減っていくので精神衛生上よくないのと、退路を断っているので、試験が近づくにつれてプレッシャーがどんどん大きくなります。合格できる可能性は一番高いと思いますが、リスクも一番高いと思います。きちんと学習計画をもって一発又は短期で決める自信があるならありだと思います。

兼業受験生時代

残業結構ありのフルタイムで勤務していた頃ですが、これは時間不足が気になりました。昼休みに会社近くのベンチで勉強し、帰宅してから4時間勉強するような感じでしたので、1日最大5時間程度の学習時間です。限られた学習時間の中でやりくりするので、学習の質は高くなりますが、時間が足りないのではないかという不安は付きまといます。私の知っている司法書士の中でも、フルタイム勤務で合格した司法書士はやはり受験年数も長い印象です(他に比べて)。

アルバイト時代

合格した直前は週5日フルタイムアルバイトをしておりました。司法書士事務所の上の階に住み込みで補助者バイトをしていたため10-12月の学習は1日6時間以上確保でき、さらに司法書士事務所なので日常で登記に触れることができたというアドバンテージはありましたが、1月以降は住み込みではなくなったものの、併設している土地家屋調査士事務所でも補助者登録され、非常に長い電車移動の時間が多かったので、そこでケータイ司法書士を読むということもできました。さらに3月くらいからはコロナの影響によりアルバイト日数が週3日に減りましたが、試験受験生としては可処分時間が増えたので、すべて勉強にあてることができました。調査士の補助者のバイトはとにかく体を動かすので、勉強の気分転換にもなりました。

アルバイトなら時間面と金銭面でバランスが取れていると思います。

司法書士事務所のアルバイトについて

司法書士受験生をしているとよく、補助者のバイトは試験的にあまり役に立たないという意見を見ます。ですが私の場合は、司法書士補助者経験は大いに役立ちました。

具体的には不動産登記法の総論部分で、登記完了証やオンライン申請などいまいちイメージできていなかったものが、実物を見ることによって理解できたこともあったり、ボス司法書士から質問が飛んでくることもあります。「この申請のときの必要書類ってなんだっけ?」とか(答えられないと結構怖い)。なにより仕事の流れが見えてきますので、試験に合格して司法書士になった後にも役立っております。長い目で見れば合格後そのまま就職できる可能性高いですし、絶対独立したいというわけでなければいいと思います。

地方ですとあまり求人もないかもしれませんが、司法書士補助者のアルバイト、結構お勧めです。(なお、いつも募集しているところはご注意ください)

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。