所有権の登記名義人の死亡情報についての符号によって表示する制度(長い)

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

相続登記義務化について前々から思っていたんですが、不動産の登記名義人が亡くなったことを法務局はどのように把握しているのでしょうか。

他の相続登記申請をしたことにより判明する

①例えば相続人が複数いて、同一法務局管轄内に不動産を複数所有していたとします。被相続人が「甲不動産は相続人Aに、乙不動産は相続人Bにそれぞれ相続させる」というような遺言書を遺しており、Aがその遺言に従って甲不動産の相続登記を済ませたとします。このとき登記官は、なぜBは相続登記をしないのだろうということに気付くこともあります。司法書士に依頼される場合はまとめて申請することが多いため、そうしなかった場合に判明する可能性もあるでしょう。

②遺産分割協議書を相続登記に提出するケースでも同様です。基本的に遺産分割協議書には、すべての不動産が記載されていますので、甲不動産だけ登記して、乙不動産は登記しないというのは不自然ですので、そういったところから判明することもあります。


ところで上記は、そもそも相続が発生したことについて、「偶然登記官が知る」ことを前提にしていると思いませんか?

これなら登記しなければ判明しないので、中途半端に相続登記をするなら、そもそも相続登記をしない方が良いのではないかと思ってしまうかもしれません。しかし、以下の制度が新設され今後スタートします。

「所有権の登記名義人の死亡情報についての符号によって表示する制度」

長いです。覚えられないのでそのうち符号情報とか呼ばれる気がします。こちらもこれから始まる制度であるため、まだ明らかにされていないことが多いですが、大まかに言えば、住民基本台帳と不動産登記制度を連携させ、住所の変更や死亡情報などを登記官が照会し、不動産名義人の死亡の事実を符号として表示することができるようになるようです。(住所変更は義務化されるくらいなので、やってくれなさそうですね)これと以前記事にした「所有不動産記録証明制度」を併用することで、相続不動産の登記漏れもかなり少なくなりそうですね。ただし所有者本人があらかじめ法務局に申告をしておく必要があるといった情報もありますので、プライバシーと便利さの兼ね合いによる問題点は出てくるかもしれません。

相続登記義務化を中心に今後便利な制度が始まりますが、早めに動いてできることを少しずつ減らしていくことをお勧めいたします。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。