簡裁訴訟代理等関係業務の特別研修について

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

タイトル、訴額140万円以下の訴訟であれば簡易裁判所において、条件を満たした司法書士がその訴訟代理人となることができます。

その条件ですが、

①司法書士試験に合格(公務員で一定の要件を満たし司法書士登録できる者を除きます)

②特別研修を受ける

③認定考査試験に合格する

この3つを満たすことです。

今回は特別研修について記事にしました。

当初私は認定考査を受けることを躊躇っておりました。自分がそのような訴訟業務を行うビジョンがなかったためです。それではなぜ認定考査を受けたかと言いますと、その年の情勢が大きく関わってきます。私が司法書士試験に合格した令和2年度ですが、コロナ禍のために試験が延期されいつ実施されるのかわからないという状況でした。例年7月第1日曜日に行われる試験ですが、その年は9月末の日曜日に行われました。試験会場の入り口においても体温計で簡易検査をし、そこで発熱あれば試験を受けることができないというものでした。

試験が終わると、中央研修・ブロック研修・単位会研修・特別研修と、3月~7月にかけて研修が続くのですが、中央研修・ブロック研修・単位会研修までは、すべて動画を見るというものでした。Zoomとかでもなく、収録された動画を見るのみです。そのため、そこまでの時点で同期に出会うことができませんでした。特別研修については前述の通り迷っていたのですが、当時勤務していた司法書士法人の先輩から「同期と出会うまたとない機会なので絶対に参加したほうがよい」と言われ、参加することにしました。(なお別の先輩には認定考査に落ちるようお祈りをされ、2回認定考査に落ちました笑)

そして特別研修に申し込みをし、特別研修の日を待つばかりとなりました。ちなみに東京での研修を希望したのですが、東京は人数が多く、私の申込みが遅かったこともあり、千葉会場での研修となりました。

千葉会場の場合ですが、全体で30人程度おり、15人ずつの2グループに分かれます。それをさらに5人ずつの班に分かれます。基本的にその班で訴状の起案を行ったりします。前半はZoom研修です。一つの事件テーマに沿って班ごとに訴状や答弁書の起案をし、それを素に研修が進んでいくのですが、チューターの司法書士の先生が質問を飛ばして、研修生が順番に答えていくという形式で数時間進んでいきます。名字五十音順で班が構成されておりチューターはその順番で当ててきますが、これがなかなか緊張します。みんなが答えていく中で自分だけが答えられないのは結構恥ずかしいので、予習の重要性を強く感じます。(研修の回を重ねるごとにそれぞれのキャラもわかってくるのではじめだけですが)

その中で、裁判所研修やZoomの関東ブロック全体での研修などがあります。(関東ブロック全体のZoomはほぼ当てられないので緊張はありません)

なお裁判所研修ですが、私の班の日はかなり裁判が少ない日だったようで、ほとんどの時間控室で雑談をしていた記憶です。

特別研修後半は集合研修です。ここで初めてパソコンモニターで見ていた面々と会うことができます。この段階になるとメインテーマは模擬裁判に向けて、グループ全体で起案などを行います。模擬裁判はあらかじめ分けられた2つのグループが原告側、被告側となり裁判をします。

Zoom研修・集合研修を問わず、週に一度弁護士のゼミナールがあります。その週に行ったテーマのまとめみたいなものなのですが、ここでもバチバチに当てられます。このゼミはグループ全体で行われるため、当てられる確率は通常の2分の1なのですが、別のグループの人がいるので結構緊張します。

一か月とちょっとの特別研修が終わりますと、そこで知り合った同期とは結構強い絆ができると思います。飲み会などもしますし、その後もちょくちょく理由をつけてはあったりできますし、なにより実務でわからないことがあれば気軽に聞けるので、これは心強いです。認定考査に落ちると結構恥ずかしいですが、仲間を作るためにも特別研修はお勧めです。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。