司法書士試験勉強①
実務的な記事と私的な記事のブログを分けて運用しておりましたが、面倒くさいので諸事情によりこちらに一本化しました。
というわけで本日のテーマは司法書士試験の勉強方法についてです。
司法書士試験の受験生で、なかなか合格できずに勉強方法を模索している方がいるかもしれません。インターネットで効果的な勉強方法を探してさまよい、いろいろなテキストや教材、講座に手を出しては不合格を繰り返すという合格できない典型的な人がいます。
かつての私です。
同じようことをしている受験生がこのブログにたどり着くかもしれませんので、私がとった勉強方法や書籍について書いていこうと思います。
ただし、勉強方法については100人いれば100通りあります。再現性が高いとは思えないので、自分がしっくりくる方法にカスタムすることをお勧めします。
合格した年度の勉強方法
1日のスケジュールを書きます。
まず、その年の私の環境ですが、不合格が確定した令和元年の10月、私はアルバイト補助者として東京の司法書士法人に入所しました。しかし、その司法書士法人の東京事務所は従たる事務所(いわゆる支店)で司法書士が1名しかおらず、業務を教えている時間がないほど忙しい事務所でした(当時私は実務未経験)。そのため、主たる事務所(本店)がある京都で3か月ほど実務の基礎を覚えてきてほしいということでした。そこで京都事務所の入っている建物内の1Kの部屋で住み込みで働くことになりました。
京都で暮らしている間のスケジュールは、朝6時に起きてすぐ勉強を開始、2時間半ほど勉強して8時30分から事務所で勤務開始、18時ジャストに退勤し、自室に戻り食事風呂等を済ませ、18時半から22時まで3時間半勉強。事務所が3階、自室が6階でしたので、通勤時間は15秒くらいでした。なので1日の勉強時間は平日6時間くらい。3か月後の年明け東京に戻ってからは、通勤時間分少し勉強時間が減りますが、大体似たようなスケジュールで勉強していました。あとこの時期に通勤時間が無いことの快適さに味を占め、絶対自宅兼事務所にしようと思いました。
①テキストについて
すでに何年か受験生を続けており、択一基準点には届いていたので、テキストは年内だけに留め、年明けからの過去問演習や問題演習の際の辞書的な使い方をしておりました。京都で暮らし始めてから「リアリスティックテキスト」シリーズの主要科目のみを購入し、これを京都にいる10-12月の間に3回まわしました。基礎テキストについては分厚いものが多いので、何度も回すのに適していません(前掲のテキストも主要科目だけで7分冊あります)。むしろ回すことが目的になってしまうと文字を「見る」という作業になってしまい学習にならないため要注意です。なお、リアリスティックテキストですが、検索性が極めて高いところに魅力があります。したがって、何度も読むことが目的でないテキストに求めることは、情報量と検索性です(私にとっては)。
②過去問集について
合格ゾーン(過去30年分を網羅しているような過去問集)だけをやっていたという司法書士がいたので買ってみましたが、回し切れませんでした。今あるかわかりませんが伊藤塾のセレクト問題集とかの方が論点落ちもなく、問題の重複もないので使いやすいと思います。
年度別と論点別の問題集であれば、論点別の問題集の方が通常の学習期には適しています。集中してその分野を学習できるので論点別をお勧めしますが、超直前期には年度別を時間を計ってやりました。
通常の学習期ですが、5肢すべて検討します。余白部分に問題を解いた日付と、その下にアイウエオもしくは12345と書きます。理由を言えて正解したものについては〇、理由はあいまいだが結論がわかって正解したものは△、不正解なら×を書き入れます。そのようにしてどんどん問題を解いていき、2回し目は△と×だけを解きます。3回し目も同じことを繰り返し、4回し目はまた初めから。なおもう絶対に忘れないような問題があれば、ページに大きく×をつけて、そのあとはやらなくてもいいと思います。ただし兼業の場合、過去問を解くのもある程度の時間確保が必要になりますので、後述のまとめ本を参考にしてみてください。
直前期(4月から試験日まで)の過去問演習ですが、ここは年度別の過去問をやっていました。この目的は、本試験での立ち回りをシミュレーションするためです。方法として、年度別過去問及び過去に受けた模試や答練をかき集め、土日など休日を使って、本試験と時間を併せて解きます。したがって、5肢検討などはせず(午前の部はむしろした方がいい)、特に午後はパッと問題を見て短い肢から切っていく、わからない肢は考えずにさっさと次へ行く、肢のみならず問題自体飛ばして(マークシートには飛ばした問題がわかるように目印をつけておきます)とにかくスピード重視、マークが埋まっていないところがあっても先に進むのが目的です。そうすることで記述の時間を確保します。マークが埋まっていない問題は、どうせ難しく正答率が低いので、記述をある程度埋めて得点を確保しておいてから戻って検討するのも作戦です。記述がある程度埋まってから読んでみると、かなり緊張感がほぐれているので、解ける可能性も高くなっているはずです。さらに、問題を解く順番もその中で作り上げるといいと思います。1問目の民事訴訟法から解いていくと、近年問題文の長い登記法を後に回すことになってしまいます。そのため私は、頭がフレッシュな状態で不動産登記法から解くことにしていました。不動産登記法→商業登記法→マイナー科目→記述の順で解いていました。マイナー科目は比較的問題文が短いので、記述に向かう前の箸休め的に捉えておりました。不動産登記法→マイナー科目→商業登記法→記述でもいいと思います。そこは直前期に一番やりやすい方法を検討してみてください。
本試験での立ち回りという目的であるため、直前期すべて会場模試などで埋めれるようなら埋めましょう。私は、TAC、LEC、伊藤塾の模試を受けられるだけ受けました。日程が重なるものがあれば、どちらかは在宅受験にして、週をずらして問題を解きます。
上記を徹底した結果、択一は45分で走り抜けることができました。穴はあるものの5問程度だったので作戦は成功でした。
私は記述で答案構成用紙をかなり使うスタイルでしたので、苦手な記述に2時間15分使えるのは大きなアドバンテージだったと思います。
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投稿者プロフィール
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令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。