住宅の名義変更と住宅ローンの関係

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

住宅ローンが残っている状態で、不動産の名義を第三者に変更したいといったご質問を受けることがあります。

原因は様々で、売買、贈与、財産分与。なお相続は人の意思が介在せずに発生しますので、相続登記は可能です。本記事では言及しませんが住宅ローンが免除される場合もありますが、こちらは別記事にて記載します。

結論を言うと、「おそらくできない」という回答になります。

なぜ「おそらく」なのかというと、住宅ローンを組んだ際、債権者と債務者(所有者)の間で「抵当権設定契約書」を交わしているはずですが、そこに、「債権者の承諾なく不動産所有権を移転してはならない」といった趣旨の条項が入っていると思われます。

住宅の所有権移転登記は所有者と第三者(買主、受贈者、財産分与の場合は配偶者)間で行い、抵当権者は登場しませんので、所有権移転の登記自体はできます。しかし、それは抵当権設定契約に違反することとなりますので、何らかの罰則(期限の利益を喪失させ一括返済を求められる等)が考えられます。では、金融機関の承諾があれば良いのではないかと思いますが、一般的に金融機関から承諾を得ることは難しいと言われます。住宅ローンは債務者本人がそこに住むことを条件として金利を抑えており、所有者が代わるとなるとその条件を満たさなくなってしまいます。

ただし、実際に問合わせた場合に、「名義変更しても構わない」「名義変更については関知しない」との回答がされることもあるようで、金融機関により対応は異なるようです。まずは一度金融機関に問合せをしてみると良いと思います。いずれにしても登記されている債務者の変更のためには金融機関の関与が必要になりますので、不動産の登記名義の変更と併せて問合せをしておくことをお勧めします。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。