取締役・代表取締役の選び方
札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。
本日は会社の役員である取締役・代表取締役の選任・選定方法についての記事です。
取締役とは?
会社の業務執行を担当する役員です。株式会社に必置の役職であるため、どのような株式会社であっても株主総会とともに必ず取締役は存在します。
取締役の選任方法は?
株主総会の普通決議にて選任されます。定時株主総会、臨時株主総会のいずれで選任しても構いませんが、取締役の任期の兼ね合いで、定時株主総会において取締役の任期満了に併せて再度就任(重任といいます)することが多いです。定款規定に反しなければ取締役を増員することも可能です。
なお、株式に譲渡制限がついている会社(日本国内の99%以上は制限がついております)においては、取締役の要件をその会社の株主に限定することが可能ですが、株式の譲渡制限がついていない会社においてはそのような制限はできません。
代表取締役とは?
Wikipediaによりますと、『代表取締役は意思決定機関である株主総会や取締役会の決議に基づき、単独で会社を代表して契約等の行為を行うことができる。それとともに、代表取締役は会社の業務を執行する。』とあります。
わかりやすく言うと、一番偉い取締役であり、会社の契約する各種の契約書に会社の実印を押せる人です。日本の株式会社の中では株式会社設立の発起人がそのまま取締役になり、代表取締役を担っているケースが一番多いでしょう。ちなみに代表取締役は一人である必要はなく、複数名いても構いません。
ただし代表取締役は、その会社の取締役でなければなりません。「代表取締役だが取締役ではない」ということはありえません。
代表取締役の選定方法は?
取締役会を設置している会社においては、取締役会で選定します。取締役は株主総会で不特定多数の中から「選任」し、選任された取締役は取締役会の中から代表取締役を「選定」します。
取締役会を設置していない会社の方が日本には多いのですが、その場合の代表取締役の選定方法はパターンが多いです。なお、代表取締役を選ぶことは必須ではありません。
①定款に何も定めておらず、取締役が複数名いれば全員が代表取締役になります(各自代表といいます)
②定款に、「取締役の互選により定める」と定めていれば、取締役がお互いに代表取締を選びます
③株主総会で選定します
④定款で代表取締役を決めます
この4パターンが代表取締役の選定方法なのですが、実務上②の互選が多いです。④の定款で代表取締役と定めるというのはほとんどありません。定款の規定を変える際、株主総会の特別決議が必要になりますので、代表取締役が替わるたびに定款の書き換えが必要になるのは、手続としては迂遠だからかと思われます。
登記申請の際の必要書類は?
①株主総会議事録
②株主リスト
③就任承諾書
④取締役会議事録
⑤定款
⑥取締役の互選書
⑦個人の印鑑証明書
⑧本人確認証(住民票の写し等)
取締役・代表取締役の選任方法により異なりますが、おおむね上記書類の組み合わせになります。司法書士に依頼する場合は委任状の添付も必要となります。
また、新たな代表取締役を選定した場合は、印鑑届書等も必要になります。※印鑑届は任意になったとはいえ、各種手続で求められるケースが多いので、作成しておく必要があると考えます。
今回は取締役等の選任方法についての記事でした。
役員登記をするにあたっても判断するポイントは多いので、司法書士にご相談いただくと早いかもしれません。
投稿者プロフィール
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令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。
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