相続登記に必要な書類は?

以前のブログにおいて、令和6年4月1日から相続登記が義務化されることに触れました。

そこで、具体的に相続登記をする際に必要となる書類について本記事で説明を加えます。

その前提ですが、一番多いケースは「遺言書なし」のケースと思われますので、その前提に立って以下記述していきます。なお、登場人物は以下です。

被相続人:法務太郎

法務太郎の妻:法務花子

法務太郎と法務花子の長男:法務一郎

法務太郎と法務花子の長女:法務一美

今回は最も多い、被相続人の配偶者が遺産分割協議により不動産を取得するパターンで解説します。

①遺産分割協議書:登記用に一通提出します。相続人全員が署名及び実印での押印をします。利益を受ける花子の印鑑については認印でも構いませんが、その他の相続手続を考慮しますので、一般的には全員が実印で押印するのがよいでしょう。

②印鑑証明書:遺産分割協議書に押印した、相続人全員の実印の印鑑証明書が必要です。発行から3か月以内のものといった期限はありませんが、金融機関の手続上発行から6か月以内の印鑑証明書を求められることがあるため、なるべく新しい印鑑証明書を用意するほうがよいでしょう。

③戸籍:被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍です。なお、厳密に出生まで遡る必要はなく、被相続人が10歳程度の頃まで遡ることができれば問題ありません。その他、相続人の現在の戸籍も必要になります(こちらは遡る必要はなく、最新のもののみで構いません)なお、被相続人の死亡の記載のある戸籍と相続人である配偶者の戸籍は同じですので、同じ戸籍は一通のみ提出すればそれで構いません。

④住民票の除票(または戸籍の附票):被相続人が亡くなると、住民票に死亡した旨の記載がされます。登記簿に記載されている所有者(被相続人)の住所と、最後の住所が異なる場合、その連続性を証明できるものでなくてはなりません。住民票除票には前住所の記載しかないため、頻繁に住所を変えていた場合は、戸籍の附票(本籍地記載)を提出するほうがよいでしょう。

⑤住民票(または戸籍の附票):遺産分割協議により、不動産を取得することとなった人の住民票(または戸籍の附票)が必要になります。

⑥固定資産評価証明書:相続登記の際、登録免許税という税金を法務局へ納めます。その登録免許税の計算の根拠である不動産価格が記載されている書類です。こちらは都税事務所や、各自治体の役所の税務課などで取得することができます。

⑦登記委任状:司法書士に相続登記を依頼する場合は、委任状へ署名押印が必要です。

上記が大まかな相続登記の必要書類ですが、登記簿上の住所と被相続人の住所が繋がらない場合など、それを補完するために必要な書類が増えるなど、様々なケースがあります。そのため、相続登記を急ぐ場合は、司法書士へご相談をいただくことをお勧めいたします。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。