相続関係説明図
相続関係説明図とは、相続登記の際に司法書士が作成することが多い書類です。相続登記の必要書類の中に、戸籍一式(被相続人の出生~死亡までの連続した戸籍及び相続人の現在の戸籍等)があります。これにより相続人の範囲を確定させることが主目的となります。※被相続人の戸籍は、10歳程度まで遡れれば大丈夫です。
ところで、上記の戸籍一式を収集するのは大変です。というのも、戸籍は本籍地の役所において取得する必要があります(令和5年11月現在)。出生から死亡まで1つの本籍地で戸籍が揃えられることはあまりなく、複数の本籍地の役所において請求するパターンが多いです。そしてその請求の際には当然1通ごとの戸籍取得費用がかかりますし、加えて郵送料や交通費がかかる場合も多いでしょう。
さて、戸籍一式が手元に揃い、相続登記のために法務局へ戸籍一式をそのまま提出すると、せっかく集めた戸籍は返却されません。それどころか、その他の銀行手続等の相続手続きで、また戸籍一式を求められます。では、時間と費用をかけてまた戸籍一式をイチから集めなおさないといけないのかというと、そんなことはありません。原本の返却を希望する書類のコピーを取り、そのコピーに「原本還付」「上記は、原本と相違ない ○○市○○町〇丁目 山田太郎」のような記載をし、申請の際のハンコでコピーをつなげることで、それらの書類は登記完了とともに返却されます。
しかしここで問題が発生します。
戸籍を返却してもらおうと思ったら、戸籍のすべてのページをコピーしなければならないのかという問題です。
結論から申し上げると、その必要はありません。ではどうするのかというと・・・。
ここでタイトルの「相続関係説明図」が登場します。この書類を一枚提出することにより、戸籍の束のコピーを提出せずとも戸籍を返却してもらえるという用紙です。
上記は法務局のHPから拝借した相続関係説明図のイメージです。縦書きや横書きなど事務所ごとの差はありますが、このような書類を1枚(相続人の数によっては複数枚)作成し、登記申請書類に添付することで、戸籍のコピーを取ることなく戸籍が返却されます。ぜひご活用ください。
投稿者プロフィール
-
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。
最新の投稿
- 実務2024年12月10日事務所開業にあると便利なもの1
- 連絡2024年12月9日開業一周年
- 実務2024年12月7日所有権移転登記だけをすればいいのか?1
- 企業法務2024年12月5日出資金の払込