みなし解散で最初の清算人の登記をする際の日付はいつ?

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

以前経験したケースです。

株式会社が12年間なんの登記もしなかった場合、解散したものとみなされて法務局の職権で解散の登記がなされます。そのまま清算結了に向かう場合や、みなし解散の日から3年以内に会社の継続の登記をする場合、いずれの場合においても清算人及び代表清算人の就任登記を経由する必要があります。

既存の取締役が①そのまま清算人にスライドすることが多いのですが、たまに②定款に清算人を定めてあるケースもあります。※他のケースもありますが、本記事では省略します。

①のケースにおける登記申請の際の必要書類は「定款」のみです。資格者に登記申請を依頼する場合は委任状も必要になります。この場合、取締役から清算人にスライドしておりますので、登記申請書には「令和6年12月13日清算人及び代表清算人就任」のように記載します。この日付は、みなし解散をされた日に清算人が就任したことを意味し、就任承諾は必要とされておりませんので、みなし解散の日イコール清算人就任となります。

②のケースでは、登記申請の際の必要書類は「定款」に加え「清算人の就任承諾書」です。ではみなし解散された日と、実際に清算人が就任承諾した日が異なる場合、登記申請書にはどう書けばいいのでしょうか?みなし解散の日と定款で定められた清算人の就任承諾日に期間の隔たりがある場合、一旦法定清算人を挟む必要があるのか?考えているうちに頭が混乱してきますので、申請先の法務局に質問をしてみました。

回答としては、定款で清算人が定められているケースにおいては(法定清算人を就任させることなく)直接定款で定められた清算人を就任させることができる。なお、就任承諾の日がみなし解散の日だと、実体と矛盾することもあるので、日付を記載せず単に「清算人及び代表清算人就任」で構わないとのことでした。

補足として、敢えて日付を入れるのであれば定款に定められた清算人が実際に就任承諾した日で構わないとの回答をいただきました。

ただし、ウチの法務局はそれでいいですが、法務局により扱いが異なる可能性があるのでそこは確認してくださいと親切に回答をいただきました。


少し専門的な内容の記事になりましたが、今年も年末のみなし解散の時期が近くなってきておりますので、役員登記の忘れがないかぜひ一度ご確認ください。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。