公衆用道路の登録免許税の算出方法
札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。
被相続人が所有していた土地を調べると、地目が「公衆用道路」になっていることがあります。これはいわゆる私道で、隣接する住居に住んでいる人が共有していることが多いです。この土地について相続が発生し、相続登記をしようとしたときも登録免許税が発生するのかという疑問が浮かび上がります。なぜなら、評価証明を見てみると評価額が0円だからです。
宅地の評価額が仮に1000万円だった場合、相続登記における登録免許税が評価額の0.4%を乗じた4万円です。同様に私道部分も評価額0円に0.4%を乗じた0円になるのではないかと思いますが、そうはなりません。結果として0円になることが多いですが、計算のプロセスが異なります。
初動について
直近で当事務所にて行ったケースで解説いたします。
始めに名寄帳を取り寄せしたのですが、ここで評価額が0円である土地が大多数であることが判明しました。当該土地を管轄する自治体の税務課に電話をし、近傍宅地の評価額を入れる方法を質問します。そして、その通りに「資産証明」を取り寄せます。この「資産証明」について、呼称は自治体ごとにマチマチかもしれませんのでご注意ください。
証明書到着後
評価額は相変わらず0円になっていると思いますが、「近傍宅地価格」「比準宅地価格」などの1㎡あたりの評価額が入ってくるはずです。そうしましたら、以下の計算式に当てはめます。
(①1㎡あたりの近傍宅地価格)×(②私道部分の面積)×(③0.3)÷(④共有者がいればその人数)=⑤
ここで算出された⑤が100万円を下回っていれば租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税(令和7年3月31日まで)となります。
以下、具体的な数字に当てはめます。①近傍宅地の1㎡あたりの評価額が6万円、②私道部分の面積が70㎡、④共有者が10人だと仮定します。※○の数字は上記の式の該当部分
①6万円×②70㎡×③0.3÷10人=⑤12万6000円です。⑤が100万円を下回っているため、0円(租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税)となります。
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投稿者プロフィール
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令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。
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