分筆後の登記識別情報

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

所有権移転登記や、抵当権設定登記が完了すると、申請人に対して「登記識別情報通知」という書類が発行されます。この書類には12桁の暗号が記載(袋とじやシールで隠されています)されており、この暗号は本人しか知りえないものであり、第三者に知られると不動産の所有権を失いかねない極めて重要な取り扱いを要する書類です。

ところで登記識別情報が発行されるのは、所有権や抵当権などのいわゆる「権利」を取得した「申請人」に対して発行されます。例えば相続登記において法定相続人が共有する形で相続する場合、通常は相続人全員が申請人となることが多いのですが、この場合相続人全員に登記識別情報通知が発行されます。なお保存行為として相続人の一人から申請することも可能ですが、その場合は申請した相続人にのみ登記識別情報通知が発行され、申請人にならなかった他の相続人には発行されません。

では本題ですが、X土地を売買で取得し、その後何らかの理由で土地を分筆したとします。この時、分筆したからと言って新たな登記識別情報は発行されません。

そして数か月後この土地を売却することになった場合、登記識別情報が必要になるのですが、この時に添付する登記識別情報は大本のX土地を取得したもので構いません。

ここ最近、不動産の表題部に関連した問合せが多かったため記事にしてみました。ここまでお読みいただきありがとうございました。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。