前株、後株・・・中株?

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

会社を設立する際に必ず商号を定めなければなりません。例えば私の名前は鷲頭正明ですので、フルネームを商号にしたいと思ったら、「株式会社鷲頭正明」「鷲頭正明株式会社」のように「株式会社」の文言を省略することはできず、また株式会社を「Corp.」「Co.,Ltd.」のように英文で登記することもできません。

ご存知の方も多いと思いますが、「株式会社」の文字を前に持ってきたものを「前株(まえかぶ)」、後ろに持ってきたものを「後株(あとかぶ)」と言います。これは商号を定める際に好きに選んで構いません。そして、以前の記事「会社の商号はなんでもいいわけではない」にも記載した内容で、「中株(なかかぶ)」が登記できると明記したのですが、その後にネット上の記事で「できない」と書かれていたものがあったため、気になって実在しているか確認しました。本記事で社名を掲載することは控えますが、当該会社のHPや国税庁の法人番号検索サイトでも中株の商号が掲載されていたので、登記自体は可能と考えられます。

ただし、中株の会社は圧倒的に少ないこともあり、名刺交換の際など、1つの話題となることが想定されます。ただし、デメリットとして様々なWEBサイトや手続の際に不便を強いられることが多いようですので、中株に対する強いこだわりが無いようであれば、前株や後株を選択したほうが後々の手続はスムーズになると思われます。

商号を決める際にも検討事項や会社法上の制限など、様々決めなければならないことがありますので、会社設立に関しては専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。