司法書士の即独とは
札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。
タイトルにある即独について。ソクドクと読みます。今日の記事ではソクドクについて解説します。
司法書士試験に合格した後、司法書士事務所で数年間勤務を経験した後に自身の事務所を開業するのが多くの割合を占めるルートと思います。
それに対して即独とは試験合格後、勤務経験をせずに(あっても配属研修のみで)独立することを指します。なお、補助者経験がある場合は即独とはみなしません(誰)
私の同期にも何人か即独をした方がおります。その話を聞いた部分と私の経験を照らし合わせた見解をお伝えします。以前の記事において、私は試験合格前から補助者の経験があることをお伝えしました。また合格後においても数年間補助者として勤めておりましたので、即独の要件には当たりません。
結論から申し上げますと私は即独はお勧めいたしませんが、あくまでもそれは東京や大阪、名古屋など大都市圏ではと申し添えます。それ以外の都道府県においては修行先がなく即独せざるをえない環境の司法書士もおります。司法書士試験は現在全国15か所の会場で行われておりますが、平成31年(令和1年)までは全都道府県(北海道は4か所)に会場が設置され、そこで筆記試験が実施されておりました。中には合格者該当なしという県や北海道内会場もありましたので、そもそも司法書士の数自体が少なく、修行先が見つからないということは容易に想像がつきます。
私が補助者として業界に入った時点で思ったことは、試験勉強以外の細々した部分で苦労しました。さすが試験が実務直結と言われるだけあって、登記申請書の作成についてはソフトの使い方に慣れることさえできれば試験の知識で作成することができるのですが、それ以外の部分はそうはいかず、登記情報の取得、払込方法、原本還付書類の作成、書面申請ならハンコをつく部分など、調べればすぐにわかる「細かい」部分が多く、業界に入ってすぐの頃はそこに苦労しました。
その点においては事務所の特性もあるのでしょうが、一度聞いたらもう次は教えてくれない(というか「これ前に言いましたよ」というパターンの)事務所でしたので、そういった事務所に当たりたくないのであれば即独の方が気楽かもしれません。
ですが、仕事の大きな流れなども間近で見ることもできますし、とりあえず金銭面で不安を抱えることも少ないので、開業資金と経験値を貯めると割り切って勤務をしてみることをお勧めはします。なお、私もいくつかの司法書士法人で勤めましたが、離職率は事務所によってかなり異なります。たまに日本司法書士会連合会の名簿を見て、あたりをつけている法人内の司法書士の名前がコロコロ変わっていないか確認してみるのも一つの手かもしれません。また、認定考査の勉強時間が取れるかどうかも要確認です。
あまり参考にならなかったかもしれませんが、私の知っている即独の先生はみなさん忙しくされているようですし、厳しい環境だったからこそ著しく成長していると感じます。
私は、自身が勤務経由したからこそそれを推奨しますが、それは即独を否定するものではなく、むしろそのほうが大きく成長できていた可能性もあったのかなと思います。結局は置かれた環境とご自身の判断になりますので、迷われている方は検討の一材料としてみてください。
投稿者プロフィール
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令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。
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