国際結婚をしたときの戸籍のお話

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

日本人同士が結婚するのが最も多いケースです。以下、2022年の婚姻件数です。

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/)

総数が約50万件のうち、日本人同士の婚姻が48万件、夫妻の一方を外国人とする国際結婚が1万7000件となっています。全体の3.5%が国際結婚です。

ところで、日本には「戸籍」制度が存在します。現在は男女が婚姻することで新たに戸籍が作られ、子どもが生まれるとその戸籍に子どもの情報が追加され、子どもが成人し結婚するときにその戸籍を出て(除籍といいます)配偶者と新しい戸籍を作るというサイクルです。

しかし、日本以外の国においては戸籍制度がある国が少なく、また、日本人が国際結婚をする際に、配偶者である外国人とともに戸籍を作成するという方法は取られません。

日本人の戸籍自体は作られる

日本人が外国人と結婚した場合、日本人が初婚であれば、自身の父母の戸籍に名を連ねているのが一般的です。ですが、結婚に際してその日本人を筆頭者とした戸籍が新たに編成されます。しかし、新たに編成された戸籍は配偶者となる外国人の戸籍となる訳ではなく、「婚姻日」「配偶者氏名」「配偶者の国籍」「配偶者の生年月日」が記載されるに留まります。

なお、子どもが出生したときは戸籍に入ります。

氏(姓)はどうなるか

結論を言うと変わりません。婚姻した日から6か月以内でしたら、以下のような様式を提出することにより氏を変更することが可能です。

ただし、婚姻から6か月以上経過後に配偶者の姓を名乗りたい場合は、家庭裁判所の許可と氏変更の届け出が必要になります。

離婚したときはどうなるか?

戸籍の移動はなく、「婚姻の記載」が「離婚の記載」に置き換わるのみです。

日本人同士の離婚の場合ですと、筆頭者以外は元の父母の戸籍に戻るか、新たな戸籍を編成することになりますが、国際結婚の場合は日本人が筆頭者であるため、戸籍の記載内容が変わるだけです。


以上、国際結婚したときの戸籍の取り扱いについて解説をしました。国際結婚の比率が少しずつ増えてきている印象ですので、数十年後外国人の相続も増えてくるかもしれませんね。

今後、外国人の方の相続についても解説をしたいと思います。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。