承継すべき経営資源とは何か?

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

今までいくつか事業譲渡に関する記事を掲載しましたが、株式の譲渡に関するものがメインでした。

ただし、後継者に株式を移転させるのみでなく、会社の強み(経営資源)を後継者に承継させていく必要があります。大きく分けて「人・資産・知的資産」の3つです。

人(経営権)の承継

後継者への経営権の承継のことを言います。中小企業は社長の経営能力に左右されることが多いため、その経営権を誰に承継させるのかは重要なテーマです。経営権を承継するためにまず後継者を決定し、育成し、資産や知的資産を引き継いでいく必要があります。一般的に5年~10年以上かかると言われています。

資産の承継

事業資金・店舗設備・不動産などの会社の運営に必要な資産を後継者に承継させる必要があります。株式会社の場合は自社の株式を承継させることで、包括的にこれらの承継ができます。個人事業主の場合は、個別の資産ごとに贈与などで承継させることになります。資産の承継の際には、(譲渡)所得税・相続税・贈与税などの税負担を伴う可能性があるため、税理士と相談しながら、その軽減策を検討しつつ承継を進めることをお勧めいたします。

知的資産の承継

これは、取引先との関係、組織力、ブランド力、技術力や経営ノウハウといった、競争力の根源となっている会社の強みです。それまで生き残ってきた理由として、その会社特有の知的資産がありますが、それらを見極め後継者に承継していくことが必要不可欠になります。

知的資産は目に見えず、経営者も言葉で表現できていない場合が多いため、「知的資産を見える化」し、そしてそれを後継者に承継していくとよりスムーズに承継が進むと思われます。


知的資産を見える化する方法についてはまた詳細な記事を出していきたいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。