数次相続が発生したとき

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

設例

今回の事例ですが、下図のような相続が発生したという設定でお話しします。

被相続人である父が亡くなりました。このとき遺産としては父名義の土地がありました。ところが、遺産分割協議をしないまま母も亡くなりました。

その後、長男と長女で土地の名義を長女にしたいという協議がなされました。

母がいない状態で遺産分割協議はできるのか?

果たして、母が亡くなった後に行われた遺産分割協議は有効なのでしょうか。

結論と理由

結論を言えば、この遺産分割協議は有効です。

民法907条において遺産分割協議は相続人全員でしなければならないと定められているため、亡母が参加しない遺産分割協議が有効なのか疑問がありますが、この亡母の相続人は長男と長女です。そして、元々母は父の相続人でありましたが、その相続人としての地位を長男長女は承継しておりますので、被相続人父の遺産分割協議を行うことができるということになります。

ただし、遺産分割協議書は若干特殊な記載方法をすることとなります。この記載方法によっては法務局で補正を命じられることになりかねませんのでご注意ください。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。