本籍地の転籍
札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。
相続に関する仕事をしている際、お客様の戸籍を集める機会が増えます。被相続人の戸籍については死亡から出生に遡る、連続した戸籍が必要なので最後の本籍地から集め始めます。
それ以外にも登記申請をする際、多くの場合、相続人の全員の戸籍を添付します。あらかじめ本籍地入りの住民票をご用意いただいているケースなら直接戸籍請求することも可能ですが、複数名いる相続人のうちの1人が代表している場合ですと、必ずしも必要な書類が揃っているわけではないため、当職にて戸籍を収集することがあります。
相続人が被相続人の戸籍から分離したところから現在の戸籍まで「辿る」ことによって、必要な現在戸籍を取得することができます。ところがその「辿る」作業をしている際に、「転籍」という単語をよく目にします。
「転籍」とは、本籍地を移転することです。1か月ほど前までは戸籍を取得する際、本籍地に出向くか郵送でなければ戸籍を取得することができませんでした。当職の本籍地は本州にあるため、戸籍を集めるときは毎回その県に郵送で戸籍を請求する必要がありました。戸籍が必要になる頻度は一般的にそれほど高くありませんが、住所地が本籍地であれば戸籍の入手が容易になるため、そういう意味でのメリットはありました。ただし現在は令和6年3月からスタートした戸籍の広域交付制度や、マイナンバーカードを用いてのコンビニでの発行などがありますので、そのメリットは薄くなってきております。
その他、戸籍から除籍(婚姻や死亡)された方がいる場合に、「除籍」の文字が入るのですが、転籍をすることによりその方の名前が記載されなくなります。(筆頭者の名前は残ります)例えば、離婚した際に相手の名前を削除したければ転籍をするのは一つの手かもしれません。
引っ越しをするたびに本籍地を変更するという方を見たことがありますが、相続人の方の相続手続の際が煩雑になり費用負担も増えますので、余程の事情がなければそのままにしておく方が良いかもしれません。
投稿者プロフィール
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令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。
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