株式の譲渡による事業承継(売買)

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

自社株式を後継者に譲る方法として考えられる方法は以下です

①売買

②贈与

③相続

このうち、本記事では①売買について解説します。

メリット

株式の譲渡方法として売買を選ぶメリットとしては、なんといってもそのスピード感です。贈与を選んだ場合、非課税の枠内で毎年すこしずつ贈与を進めていく方法がスタンダードです。これは多額の贈与税を抑えることを目的としておりますが、承継までに時間がかかりすぎるデメリットがあります。

また相続は現経営者が亡くなるまで発生しませんので、株式移転の計画を立てにくいと考えられます。遺言において株式を相続する相続人を指定しておくことは可能ですが、遺留分が問題となる可能性が出てきます。

デメリット

・買取資金が必要になる。

売買ですので、当然に買取資金が必要になります。しかし、後継者が買取資金を保有している可能性が低く、支払をすることが困難な場合、金融機関の融資やその他の方法により資金調達をすることになります。その具体的な方法については別記事において解説します。

・所得税がかかる

売買によって事業承継を行った場合、売主である現経営者には受け取った代金額に応じて所得税負担が発生しますので、税理士への相談が必要となります。


本記事では株式売買による事業承継についての概要をお伝えしました。事業承継は様々な論点が含まれるため、細かく記事を分けて追加していきますので今後もぜひご覧ください。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。