清算人の印鑑届

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

株式会社に限らず、合同会社や一般社団法人など、いわゆる法人と呼ばれる集団を代表する方は会社の実印のような印鑑を持っております。一般に「会社届出印」と呼ばれます。会社届出印は法人を設立するタイミングで作成し、法務局に設立登記をする際に会社届出印を一緒に登録することが多いです。現時点で届出をすることは任意ですが、様々な取引において会社の印鑑証明書を求められることが多いため、今のところは印鑑届をしている会社がほとんどではないでしょうか。

その代表取締役の届出印ですが、「株式会社○○代表取締役印」という印章であることがほとんどです。そして会社が解散したときに就任する代表清算人についても印鑑届を提出します。多くの会社において清算人に就任するのは、解散時点の取締役であり、代表清算人には代表取締役が就任することが多いです。以下の用紙の左上の枠に届出印を押印して法務局に提出します。

ここで一つ疑問が浮かびます。「株式会社○○代表清算人印」を作らなければならないのか?すでに手元にある会社届出印ではいけないのか?という疑問です。

結論を言うと、手元の会社届出印で問題ありません。印章に清算人という文言がなかったとしても問題なく受け付けられます。

付随する論点として、印鑑カードはそのまま使えるのかという疑問が浮かんでくると思いますが、株主総会決議などで会社を自ら解散している場合は印鑑カードを引き継ぐことが可能です。しかし、12年以上(一般社団法人と一般財団法人は5年以上)登記をしていない株式会社で「みなし解散登記」がされている場合は、その時点で印鑑カードが失効しているため、新たに作成をし直す必要があります。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。