登記完了後の書類の扱いはどうすべき?

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

不動産登記を申請し、その登記が完了しますと「登記識別情報」という書類「登記完了証」という書類が発行されます。今回はそれぞれの扱いに関して解説をいたします。

登記完了証とは?

登記申請が完了すると、以下のような書類が手元に届きます。その名の通り、「登記が完了した」ことを通知する書類です。例えば売買による所有権移転において、売主・買主が共同で登記申請を行うのですが、この場合は売主買主それぞれに一通ずつ渡されます。しかし、相続による所有権移転登記の場合は、土地の共有者となる相続人が複数人いても一通しか渡されませんので、「あれ?」と思ってしまうかもしれませんが間違いではありません。

特に何かに使うことはありませんので、処分してしまっても構いません。ただしその場合、登記識別情報(超重要書類)を紛失しないように注意する必要があり、再発行はできません。

登記識別情報通知とは?

これは極めて重要な書類ですので、大切に保管をしましょう。抵当権抹消登記などの権利を失う登記では発行されませんが、所有権移転や抵当権設定など、権利を得る登記の際に発行されます。そして、得た権利を処分する際に必要になります。例えば、土地と家屋を購入した際に登記識別情報が発行され、その後、購入した不動産を売却する際に、登記識別情報が必要になります。仮に紛失していたからといって処分ができなくなるということはありませんが、その場合は少し手間と費用がかかる可能性がありますので、大切に保管しましょう。

いわゆる「権利証」と呼ばれていた書類の代わりとなるものなのですが、重要なのは上記のイメージ図に下部に12ケタの暗号が表記されており、これが登記申請の際に必要です。シールや袋とじで目隠しされた状態で手元に届きますが、開封されて第三者に見られますと不正な登記に使用される恐れがありますので、開封せずに保管するようにしましょう。


司法書士に登記申請を依頼した場合、登記識別情報は紛失しないように重厚な表紙を作って納品されますが、ご自身で登記申請をした場合は、登記識別情報はペラ一枚で送付されてきますので、間違って処分してしまわないように注意する必要があります。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。