自動車の相続による承継手続
札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。
被相続人が自動車を所有していた場合、この自動車についても相続手続をとる必要性が出てきますので、本記事ではその解説をします。
※北海道など生活と自動車が密接した地域においては、相続財産の中に自動車が含まれていることも多いため本記事を掲載しますが、司法書士が自動車の相続手続をすることはできません。
所有者は誰なのかを調べる
自動車の所有者は車検証に記載されておりますが、必ずしも被相続人の名義となっていない場合があるため、まずはそちらの確認が必要となります。リースやローンを組んでいる場合、所有者がカーディーラーになっている場合が多いのでこの点はご注意ください。
自動車を相続する人を決める
基本的には自動車も不動産と同じで、相続が開始した時点で相続人全員の共有状態にあります(相続人が1人であればその者の単有)。なお、自動車を共有名義にすることも法的には可能ですが、管理や処分が煩雑になるのでお勧めはしません。
相続人全員が参加する遺産分割協議か、被相続人の遺言によって自動車を相続させる人を定めておく必要があります。
必要な手続について
①自動車保管場所証明書を取得する
一般的に「車庫証明」と呼ばれるものです。これを相続人名義で取得する必要があります。ただし、相続人が被相続人と同居しており「使用の本拠の位置」に変更がない場合、車庫証明書の取得は不要です。保管場所に変更がなくても新旧の所有者が別居していた場合は、原則通り車庫証明の取得は省略できません。
また、車庫証明を申請する場合、使用権原を証する書類(賃貸借契約書等で権利の承継がされているもの)も必要になります。
②手続の窓口
普通自動車は管轄の運輸支局(または自動車検査登録事務所)、軽自動車は軽自動車検査協会において手続を行います。
必要書類
・相続関係証明書類(被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・発行から3か月以内のもの)
・相続人全員の印鑑証明書(原本・発行から3か月以内のもの)
・自動車検査証原本
・自動車保管場所証明書(車庫証明書)
・遺産分割協議書、遺産分割協議申立書(軽自動車の場合は不要)
・手数料納付書
司法書士は自動車の相続手続ができませんので、ご相談の際、相続財産の中に不動産の他、自動車がありましたら提携の行政書士にお繋ぎすることも可能です。まずはお気軽にご相談ください。
投稿者プロフィール
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令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。
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