遺産分割協議をした後に相続放棄ができるか

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

タイトルの事例ですが、遺産分割協議をした後に相続放棄ができるかということについて解説します。

上図のように4人家族の父が被相続人だったという事例だったとします。

相続財産が土地のみだったとして、これを長女が相続する内容を、母、長女、長男の全員で協議をしたとします。そしてその後に長男が家庭裁判所に申立てをして相続放棄をすることができるでしょうか?

これはすることができません。

長男は自分が相続人であることを認めた上で遺産分割協議をしておりますので、その後に相続放棄を行うことはできないのです。

そのため、もし長男が相続放棄をしたいのであれば、遺産分割協議をする前にしなければなりません。そうすることで長男は相続開始時に遡って相続人ではなかったことになりますので、遺産分割協議も、長男を除く母、長女の2人で行うことが可能になります。


相続の手続をする場合、その順序も考慮にいれなければ無効になってしまうケースもありますので、ご不安な方はぜひご相談ください。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。