遺産分割協議書の預貯金額は具体的に書く?

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

相続が発生し、相続人が数人いる場合、法定相続分に基づいて遺産分割協議を進めるのが一般的です。

どういうことかと言うと、被相続人が亡くなり相続人が2人の子どもだったとします。その場合の法定相続分は全財産の2分の1ずつです。金銭のように分けやすいものであればそのまま半分ずつでいいのですが、不動産などに関しては後々のことを考えると2分の1ずつの共有にしておくのはあまり得策とは言えません。そこで、一般的には不動産は相続人Aに、宝石はBにという形で遺産全体を金額評価して、その2分の1に妥当する形に遺産の割り振りを協議していきます。

その中で現金については分かり易いのでよいですが、預貯金(銀行等の金融機関に預けられている状態の金銭)について、金額を具体的に書くか、書かないかというご相談を受けることがあります。

結論としては「書かなくてよい」と考えます。預貯金に関しては利息や引落でその金額が増減することもあり、中には金額が違っているとその遺産分割協議書での相続手続が撥ねられるという話も見聞きしたことがあります。以前某銀行の相続窓口に、取り扱いについて問合せをしたところ、「書いても書かなくても良い」という回答を得ましたが、「ただし金額を書いて、それが預金額とあまりに乖離する金額の場合、手続が滞る可能性がある」ということも仰っていたので、基本的には書かない方がスムーズというのが個人的な見解です。

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投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。