遺言書を隠されるケースはあるか?

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

被相続人が生前に自筆証書遺言書を遺していた場合、例えば特定の相続人が保管していたり、被相続人と同居している相続人がたまたま遺言書を発見したりするパターンがあると思います。遺言書が見つかった場合に、見つけた人が得をするパターンであればわざわざ隠す必要はないでしょう。

なお、損得いずれのパターンに関わらず遺言書を隠した場合、私用文書等毀棄罪に問われ、さらにそれにより推定相続人が不当な利益を得ようとしていた場合は相続欠格となり、相続人となる資格を失うことにもなりかねません。

遺言書の内容によって得をする推定相続人が遺言書を隠したケースでは、不当な利益を得るという目的はなさそうなので相続人欠格には当たらないと考えられますが、私用文書等毀棄罪に問われますので絶対にやめましょう。また、自筆証書遺言による各種の相続手続を行う場合、家庭裁判所による検認手続が必要となります。その際に、家庭裁判所から他の相続人に通知がされますので基本的には他の相続人にも知られることとなります。

また、従前のブログで記載した通り公正証書遺言について検認は不要ですが、遺言者の死後、公正証書遺言の検索システムで遺言書の有無を調べることができます。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。