登記簿上の建物床面積と課税通知書記載の床面積が違う?
今回は、戸建の床面積についての記事です。
相続登記をする場合に限った話ではないのですが、登記が絡むご依頼をいただいた場合、司法書士はまずオンラインにて「登記情報」というデータを取得します(※登記簿謄本のオンライン版とお考えください)。そこで不動産の最新の権利関係を確認します。
さらに「固定資産税評価証明書」や「固定資産税課税通知書」をお客様から資料としてご提供いただいている場合、そこに記載されている床面積と、上述の登記情報に記載されている床面積を確認しますが、たまにそれぞれの床面積が異なる場合があります。このような状態が発生する原因としては、建物の増築工事をしているにも関わらず増築登記をしていない可能性が考えられます。
登記簿に記載されている内容のうち、表題部(不動産の物理的現況が記されている部分。いわゆる目に見える部分)は登記が義務ですが、登記されていない物件はたくさんあるようです。
相続登記をした後に建物を売却する場合、増築登記がされていないことによって融資がされないことがあるなどトラブルの素になりかねませんので、増築登記はすべきです。なお、建物所有者の相続人の1人からでも増築登記を申請することは可能です。これは建物の現況に登記を併せる保存行為のため、相続人全員から申請しなくても問題ないということです。
なお、登記申請を行う際に納める登録免許税について、
①【 登記面積 < 課税床面積 】
なら、そのまま評価証明書に記載されている評価額を元に計算をします。
しかし
②【 登記面積 > 課税床面積 】
であった場合は、
基本的には[ 評価証明書記載の評価額 +(新築建物等価格認定基準表記載の額×増加した面積×経年補正率)]で算出した価格で問題ないと思いますが、
先日②【 登記面積 > 課税床面積 】の事案があり、登記床面積の方が5㎡ほど大きかったため法務局に相談をしたところ、「登記床面積の方が大きいが、全体床面積の1割以内なので評価証明書記載の通りで良し」との回答を得たため、確信が持てなければ法務局に確認をした方が確実です。
それをしなかったがために登録免許税の追納や還付処理でまた手間がかかってしまいますので。
なお「新築建物等価格認定基準表」は法務局のホームページにあるので、ダウンロードしてお使いください。
投稿者プロフィール
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令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。
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