司法書士試験当日の過ごし方について
札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。
司法書士試験当日についての記事です。受験生の方は参考にできそうなところがあれば取り入れてみてください。
会場について
私が試験を受けていた頃は北海道大学が会場だったのですが、現在は全国で15会場に縮小された関係で、北海道は別の会場になっていると思います。当時感じていたのは「机が狭い」ということ、「机に前の席の折り畳みの椅子が固定されているので振動が結構来る」とか、あまりいい環境で試験を受けることはできませんでしたが、受験室によって結構快適な環境の年もありました。しかし会場を選べても受験室は選ぶことができません。(快適だった翌年にその教室を狙って願書提出日を合わせましたが、全く別の受験室になりました)
残念ながら北海道で試験を受ける場合は、会場を選択する余地はありませんが、本州(特に関東、関西)であれば割と気軽に選べるのではないでしょうか。ちなみに私は合格した年、東京会場(日本大学)で受験しましたが、割と快適な受験室でした。後ろの座席の受験生が独り言が多く試験開始前に絶望的な気持ちになりましたが、試験開始とともにピタッと独り言が止まり、結果快適に受験できました。確認を取ったわけではないですが、埼玉会場も机が広くてやりやすいという話を聞いたこともありますし。会場を選べる環境に置かれているなら、ここから検討をしてみるのもいいのではないでしょうか?
なお東京の日大会場は試験会場まで長蛇の列ができます。当時は検温があったのでそのせいかもしれません。
飲料・昼食について
私はもともと食事を摂らなくてもそれほど気になるタイプではないのですが、会場での昼食は、試験前日にウィダーインゼリー(だと思ってましたが、「インゼリー」が正しいようです)のブドウ糖とエネルギーを各1パック購入し、それを昼食時に食べておりました。すぐに食べ終えて目をつぶっているとリフレッシュできます。
試験中の飲み物は1本までは机上に置くことができますので、私はブラックコーヒーのペットボトルを置いておりました。午前でほとんど無くなるのですが、午後に飲み物飲んでる余裕などないので丁度良かったと思います。普段勉強しているときと同じ飲み物だと落ち着きます。これに関して一点気を使っていたのは、ペットボトルのコーヒーは前日に買っておいて、常温の場所に置いておくということです。試験は7月なので、飲み物容器が結露して試験用紙が濡れてしまうことを避けるためです。
午前の部について
午前の試験は、「憲法」「民法」「刑法」「会社法・商法」の実体法が出題されます。
午前に関しては時間もたくさんありますので、憲法の1問目からすべての選択肢を検討して順番に進めて行ってました。ただし、解答を出せない問題について結論は出さず、何かしらの「しるし」を付けて、その問題は飛ばします。35問目まで進めて22-23問が取れている計算が立てば、飛ばした12-13問(これがB-Cランク問題)のうち半分取れれば最低でも28問正解となるので、平均的な難易度の年度なら基準点突破です。
午後の部について
午後の試験は「民事訴訟法」「民事執行法」「民事保全法」「司法書士法」「供託法」「不動産登記法」「商業登記法」の手続法がメインで出題されます。そして「不動産登記法」「商業登記法」から2問記述式の問題が出題されます。
私の場合、この日の午後に向けて直前期から毎週戦術を練りました。
時間をどう作るか、どのような順番で解いていくか。
私の場合は、「不動産登記法→商業登記法→民事訴訟法→民事執行法→民事保全法→司法書士法→供託法」の順番で択一を解いていきました。両登記法の問題文は長く頭が疲れるため、昼休憩明けで頭がフレッシュな状態で臨もうと考えた結果、この順番にしました。
基本的には午前と同じく解答を出せない問題はどんどん飛ばしていきました。が、午前と違うところは、全肢の検討などしないというところです。軸肢を見つけ、2肢のうちで答えを出せればそのまま問題検討は終了。答えが出なければ次の問題へ進む(絶対に無理に答えを出さない。それをやったらまた来年試験を受けることになると肝に銘じてました)。そのようにして、択一問題は駆け抜けます。目標は45分に設定しておりました。
45分で択一問題を駆け抜けたら記述に突入します。択一の分からなかったところに戻る必要はありません。どうせ正答率の低い問題なので、それなら記述で少しでも得点を上げる方が上策と考えました。私は不動産登記法から手を付けておりましたが、商業登記からでもいいかもしれません。むしろその方が確実な得点を見込めるとすればそうすべきです。
ここで重要なのが残り時間です。択一を45分で駆け抜ければ残りは2時間15分もあります。私は答案構成用紙をフル使用するタイプでしたので、これが最大の記述対策になりました。
まず、記述も答案構成用紙を作成し、答案を埋めます。添付書類や登録免許税はとりあえず後回しにし、商業登記法に取り掛かります。こちらは書けるところは基本的に全て書きました。
そこまで済んだ段階で、一定の安心感を得ることができました。試験時間残り30分程度。ここで択一で残していた問題(5問くらい)に戻ります。1問あたり3分は使えるため、全肢検討しました。
残り15分で不動産登記法記述に戻り添付書類と登録免許税を記入。これで終わりかなと思っていましたが、残り3分で記入していない枠を発見、猛スピードでそこを記入している最中にタイムアップとなりました。タイムアップとはなりましたが、9割以上が書けている答案用紙だったので、記述式の基準点を上回ることができておりました。
終わりに
合格した年の試験当日はこのような動きでした。ただ、この年は感触がなく「落ちた」と思いました。
その感触のなさは、時間を捻出するため、午後の択一で全肢検討しないためです。午前と違いその時間を捨てなければならなかったため、記述の時間不足で悩んでおられる方は、択一に掛ける時間とトレードしてみてはいかがでしょうか。
以上が私の試験当日(特に午後)の考え方です。受験生の方で参考になりそうな部分はぜひ取り入れてみてください。
投稿者プロフィール
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令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。
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