ノスタルジック補正
札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。
申請中の登記に補正が必要になった場合、法務局から電話連絡がきます。できれば来てほしくない連絡です。
先日提出した住所変更登記が補正になりました。開業後初めての補正です。
内容としては、
札幌市甲区甲町1番地(登記上の住所)があったとして、これに町名変更と住居表示の変更があった場合、以下のようになります。
①札幌市甲区乙町1丁目1番1号
この住所になった場合、「1番地」→「1丁目1番1号」への変更は「住居表示実施」と言われるもので、この場合は所有権登記名義人の住所変更登記が必要になります。なお、今回の場合「甲町」→「乙町」への変更がありますが、これは市役所に確認し、住居表示実施証明書で証明できるため、町名変更証明書は不要であるとのことでした。
そしてさらにこちらの地域ですが、数年後、行政区画の変更も行っており、以下の住所に変更されております。
②札幌市乙区乙町1丁目1番1号
これは「行政区画の変更」と言います。政令指定都市の区が分離して新たな区ができたり、市町村合併で隣接の市町村に編入された場合に起こります。この場合「乙町1丁目1番1号」に変更が無ければ住所変更登記は不要です。行政区画の変更は公知の事実であるからと説明されます。
さて今回、私は登記簿上の住所「札幌市甲区甲町1番地」を現在の「札幌市乙区乙町1丁目1番1号」へと変更する登記申請をしましたところ補正連絡がきました。
当初、町名変更証明書を添付していないからかな?と思いました。(住居表示実施証明書と同一フロアで無料で取得できるので念のため手元には置いてありました)が、それが補正理由ではなく、登記簿上の住所と現在の住所の位置は全く同じだけど、その間に何度も転居しているため、住居表示実施証明だけでは足りないということでした。このパターンは初めてでしたので完全に見落としていました。
申請書自体に誤りがあったわけではなく、補正連絡も午後の早い時間にきたため、証明センターですぐに戸籍の附票を取得し法務局へ持参しました。
かつて司法書士試験受験生時代に住んでいた自宅近くの法務局で、その斜向かいの書店によく試験対策用の書籍や問題集を買いに行っておりました。まさか開業後初めての補正がいつも前を通っていた法務局ということで、初心を忘れるなと言われているかのような気持ちになりました。
投稿者プロフィール
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令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。
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