戸籍に名前の振り仮名が登録されます

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

現在、戸籍には名前の振り仮名の登録はありません。住民票については自治体ごとに取り扱いが異なるため、振り仮名が記載されている場合もあるそうです。

お客様が取得した戸籍や住民票などを拝見した際に、まったく読めない漢字や「上村(うえむら?かみむら?)」「勇(いさむ?いさお?ゆう?)」など、複数の読みがある方の戸籍類に遭遇した際、個人的に「公文書に振り仮名も書いていればいいのにな」と思っておりました。その場でお客様に確認し、メモを取ればなんの問題もありませんが、仮にメモを忘れた場合、かなり高確率で「あれ・・どっちだっけ?」となる可能性があります。

私も鷲頭という名字で、「わしがしら」「わしとう」と呼ばれる場合はかなり多いです。他人に戸籍や住民票を見られることはほとんどありませんので、これは今後も変わらないと思いますが。

今日2本目の記事は、戸籍に名前の振り仮名が登録されるようになる。というお話です。

開始はいつごろか?

令和7年5月頃に制度が開始される予定です。

登録方法はどうすればいい?

基本的に本籍地から通知が来ます。その通知の案内に基づいて届出をすると想定されます。上述した令和7年5月頃の法律の施行日から1年以内に、氏名の読み方を届け出ることで戸籍に読み方が登録されます。

届出しなかったらどうなる?

法律の施行日から1年以内に届出をしなかった場合、本籍地の市区町村長が職権によって戸籍に振り仮名を登録するそうです。

おそらくこの時点で読み方を間違った職権登録が頻発しそうですね。

それを想定していると思われますが、職権登録された方は家庭裁判所の許可を得ずに届出のみで読み方を変更できるようになるそうです。※ただし一度だけ

どのような読み方でもいい?

結論、ダメです。「氏名に用いる文字の読み方として一般に認められているもの」というルールの上で認められるようです。そのため以下は認められない例となります。

1.漢字の持つ意味とは反対の意味による読み方

「高」と書いて「ヒクシ」

2.読み違い、書き違いかどうか判然としない読み方

「太郎」と書いて「ジロウ、サブロウ」

3.漢字の意味や読み方からはおよそ連想できない読み方

「佐藤」と書いて「スズキ」

なんだか悪ふざけをして、ニュースで取り上げられるような気がしますね・・・

その他補足

Q.これから生まれる人はどうなる?→A.出生届に読み方を書くのでそれが反映される

Q.読み仮名はどのように記載される?→A.カタカナで記載される予定です


また新たな情報をキャッチしましたら随時記事を更新していきます。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。