墓じまいについて
札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。
タイトルにある「墓じまい」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。これは墓石を撤去し、墓所を更地にしてお寺や霊園に使用権を返還することです。「墓じまい」は一般的な呼び方ですが、法律的には「改葬(かいそう)」と言い、改葬許可申請手続を経由した上で他の墳墓や納骨堂に移転させることを指します。
以下に改葬許可申請手続の流れを記載していきます。
移転先の決定・確保
移転先となるお墓の準備を行います。墓地ではなく室内の納骨堂も増えてきております。従前のお墓はそのままに分骨して2か所のお墓を持つことも可能です。少し前に札幌市内の納骨堂で閉鎖トラブルがニュースになっておりましたので、無用なトラブルを避けるため、納骨堂は慎重に選びましょう。
現在の墓地の契約の確認
墓じまい予定の墓地の使用契約を確認しましょう。解約をするにあたって制約がある場合もあります。墓石の撤去を行う工事業者や撤去費用にかかる金額の指定などです。こういった制約が無ければご自身で業者を探したり、墓地の管理者から紹介を受けるなどして決定します。
工事業者の選定
撤去にかかる費用の見積を取ります。墓石の撤去業者ではありませんが、見積よりはるかに高い金額を請求されたというニュースを度々目にしますので、そのようなトラブルを防ぐために書面で総額を明らかにしておくことをお勧めします。
改葬許可申請書・収蔵(埋蔵)証明書を取得
改葬許可申請書は市役所等のホームページから取得することが可能です。収蔵(埋蔵)証明書はお骨を保管している墓地・納骨堂等で発行してもらえます。これらを揃えて窓口にてお手続きしていただくことで「改葬許可証」が発行されます。
魂抜き・閉眼供養を手配
お寺などに依頼をして、「魂抜き・閉眼供養」を行います。墓石撤去に先立ってしておくことも可能です。これは法律上の義務ではありませんが、費用はかかるため、人によってはする必要がないと考えることもあろうかと思います。墓石の撤去業者によってはこの閉眼供養等をしていないと工事を受け付けない場合もあるようですので、事前に確認するほうがよいでしょう。
新しい墓地へ納骨
墓石撤去工事の際にお骨を墓地から取り出します。骨壺に入っていない場合もありますので、新たな墓地との契約の段階でその話は出ると思いますが、事前に必ず確認はしておきましょう。
なお、以下の太字は札幌市のホームページに記載されている注意書きです。併せてご参照ください。
※ご自宅に移して保管することは「改葬」に当たりませんので、改葬手続きの必要はありません。ただし、将来、別の墓地・納骨堂へ埋蔵・収蔵する際は改葬手続きが必要になりますので、そのときに備え、現在ご遺骨を保管している墓地・納骨堂の管理者から埋蔵・収蔵証明書を発行してもらい、ご遺骨と併せて保管しておくことを推奨します。
投稿者プロフィール
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令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。
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