家督相続による相続登記
札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。
表題の件ですが、相続登記義務化に伴い、今まで放置してきた不動産登記をしようとしたところ収拾がつかないと思われるケースがよくあります。それは不動産の所有者たる被相続人が亡くなった時代が昭和などかなり昔で、その後時間の経過とともに子孫が増えてきたため相続人を把握できないという状況になっているためです。
ところが昭和22年5月2日以前に所有者たる被相続人が亡くなっている場合、旧民法が適用されるため、表題にある「家督相続」が適用されます。現在の制度においては被相続人が亡くなった場合、配偶者・子・親・兄弟姉妹などの相続順位に従い共同相続が発生しますが、上述の家督相続においては戸主となる長男が全てを負の財産も含めて全て相続することになりますので、不動産も同様に長男が取得することとなります。そしてその登記原因を証明する情報としては、家督相続が発生したことを証明する戸籍謄本のみで構いませんので、家督相続による相続登記「だけ」をするのであれば、現行制度の相続登記よりむしろ簡易な手続が可能かもしれません。
なお家督相続の原因は「死亡」のみにとどまらず、「隠居」「国籍喪失」などによることもあります。
そして、中間の相続人が1人であれば登記申請書は1通にまとめることができ、状況に応じて登録免許税が免税される可能性もあります。
相続登記が古い時代で手を付けられないという場合は、ぜひご相談ください。
投稿者プロフィール
-
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。
最新の投稿
- 司法書士試験2024年11月21日司法書士試験の際の六法のご紹介
- 司法書士試験2024年11月19日司法書士試験に暗記は必要か?
- 雑談2024年11月19日寒さ対策
- 実務2024年11月18日抵当権設定の際の登録免許税