規約共用部分とは?

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

不動産登記をする際、固定資産税納税通知書や評価証明書等に記載されている評価額を基に登録免許税を計算します。マンションの登記をする際に規約共用部分の価格をどう取り扱うかは悩ましいところなのですが、法務局によって取り扱いが異なる可能性があるので事前に確認してみるのが良いと思います。

そもそも規約共用部分とは?

マンションであれば、専有部分(居室)の他、一棟のマンションの敷地があります。この敷地はそれぞれの居室の登記名義人の共有です。専有部分の登記簿を取得して確認すると、「敷地権割合」という項目があります。その他に「規約共用部分」という登記が入っていることがあります。以下をご覧ください。

マンションにある物置や、ゴミ捨て場、集会所などがイメージしやすいかもしれません。これは、マンションの規約により住人の共有とされている部分です。共有とされているものの、表題部登記のみで権利部(所有権や抵当権などの目に見えない権利が登記されている部分)はありません。

専有部分の所有権移転登記をする場合、規約共用部の評価額は含めるか?

以前に同様のケースで札幌法務局に確認をしたところ、規約共用部についても登録免許税算定の際の課税価格に含めるという回答がありました。併せて、札幌の市税事務所に問合せをしたところ、納税通知書に記載されている金額は、全体価格を案分したものである(個人の持分の価格ということ)との回答があり、ここまで確認をして登録免許税の確定をすることができました。

他にも納税通知書に「未登記」と書かれている場合などもあり、この場合は登録免許税に含めない場合が多く、余談ですが戸建の附属建物の価格も含めないなど扱いが様々ですので、事前に法務局に確認を取ることをお勧めします。

登記申請書の不動産の表示欄に規約共用部は記載するか?

記載しません。

規約共用部には基本的に権利部がないので、所有権移転登記がないからです。なお、これはあくまで「基本的に」権利部がないのですが、共有者の所有権の登記が入っているケースもあります。10数年前にマンションの相続登記をしたが、売却にあたり確認したところマンションの共用部の相続登記がされていなかったため、相続登記を入れてたいというご相談をお受けしたことがあります。

規約共用部分の調べ方

自分の所有しているマンションの登記簿を取得したときに一番上部に「専有部分の家屋番号」という項目があります。専有部分については部屋番号が振られていることがほとんどですが、それとは異なる番号がある場合は、そこが規約共用部分である可能性が高いです。


マンションの登記は、登録免許税などの計算が複雑になりがちですので、ぜひ司法書士への相談をご検討ください。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。