被相続人の最後の住所と登記上の住所が繋がらない
札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。
相続登記の際、まず登記簿を取得して登記内容を確認します。被相続人が亡くなったときの住所と登記上の住所が一致していることで、被相続人と不動産の名義人が同一人物と判断されます。
被相続人の住民票の除票や戸籍の附票(住所の変遷を記録した書類)などを、被相続人の最後の住所を証明する書類として提出することとなります。
登記上の住所がかなり古い住所であったとしても、戸籍の附票で変遷を証明できる限りは他の書類は不要です。
ところが、戸籍附票が廃棄されているなどの事情でこれを提出できない場合があり、その場合、いくつかの方法で対応する必要があります。
登記済権利証(登記識別情報通知)を提出する
登記済権利証を提出することで、不動産の名義人と同一人物であるという取り扱いになります。ただし、集められる限り戸籍附票や除附票は取得した上で、登記済権利証を併せて提出すればスムーズに登記申請が完了すると考えられます。なお、登記権利証の扱いはあくまで被相続人の住所証明のためなので、原本の返却を求める場合はコピーを取って原本還付処理をする方が望ましいでしょう。
不在籍・不在住証明と固定資産税納税通知を併せて提出する
これはほぼ最終手段になると思います。そのため、相続登記提出予定の管轄法務局への照会が必要になってくると思いますが、不在籍・不在住証明書を取得します。これは、登記上の住所の自治体に対して請求します。最後の住所が札幌市で登記上の住所が函館市なら、函館市に請求をします。その際に登記上の住所に住所がなく、本籍もないことの証明として発行してもらう必要があります。自治体によってフォーマットは全く異なりますが、公印が押された証明書が発行されるはずですので、それと固定資産税納税通知書や評価証明書で、被相続人の住所が記載されたものを一緒に提出することで、被相続人と登記名義人が同一人物であると判断されます。
その他に上申書を求める法務局もあるかもしれませんので、住所が繋がらず、権利証もないような場合においては法務局に問合せをした方がスムーズかもしれません。
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投稿者プロフィール

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令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。
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