遺産分割協議が困難なケース

札幌宮の森の司法書士、鷲頭です。

今日のテーマは遺産分割協議をする際に、相続人の中に意思表示が困難な者がいるケースについてです。

意思表示が困難なケースとはどういうことかというと、認知症がイメージしやすいと思います。相続人には法定相続分がありますが、認知症で意思表示ができず相続人間の話し合いに参加することもできずに、自分の相続分が無くなったり減ったり、法定相続分以下の取り分となるという不利益を受けることがあります。そこで法律上、意思表示ができない者については成年後見人を選任し、選任された成年後見人が認知症の相続人に代わって遺産分割協議をするという流れになります。

なお、相続人全員が揃わずに行った遺産分割協議は無効です。

成年後見人の選任の申立ては家庭裁判所に対して行います。その際に親族などの候補者を記載することも可能でありますが、必ずしもその候補者が選任されるとは限りません。希望する候補者が選任されなかったからといって成年後見の申立てを取り下げることはできず、さらに成年被後見人が亡くなるまで成年後見をやめることができませんので、慎重に判断をする必要があります。

投稿者プロフィール

鷲頭正明
鷲頭正明
令和2年度司法書士試験合格。東京都内の司法書士法人、司法書士・行政書士事務所で実務経験を積み、令和5年生まれ故郷である札幌で司法書士事務所開業。
会社・法人登記及び相続関連業務を得意としています。